2017年12月17日日曜日

小回りの効く「ヴァレット」のトリガーとして有望な『ブースター・ドラゴン』













ブースター・ドラゴン

リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/ドラゴン族/攻1900
【リンクマーカー:左下/右下】
「ヴァレット」モンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、このカード以外の
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力は500アップする。
この効果の発動に対して相手はカードの効果を発動できない。
(2):リンク召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合、
このカード以外の自分の墓地のドラゴン族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。









2017年12月23日発売。
《LINK VRAINS BOX》へ新規収録される「ヴァレット」をサポートする「リンク」モンスター。



自身はカード名に「ヴァレット」の名を持たないものの、「リンク」素材の指定は


「ヴァレット」モンスター2体


とされており、紛うことなき「ヴァレット」のサポート「リンク」。


同様に「リンク」素材を「ヴァレット」に限られた「リンク2」のモンスターに『リローダー・ドラゴン』という先人ともいうべきモンスターが存在しますが、そちらは「リンク」導入して間もない段階にデザインされたこともあり、マーカーは「左・右」に向くのみ。



限定的な素材の指定も相まって、非常に扱いの難しい「リンク2」と化していました。


そこに追い打ち。
『リローダー・ドラゴン』へ引導を渡すかのような『ブースター・ドラゴン』の登場。


能力についても前述した「左・右」のリンクマーカーにも関わらず自身以外の自分のリンクモンスターのリンク先へ、手札の「ヴァレット」モンスターを1体呼び出すというもので、おまけにそのモンスターは「リンク」素材としては使用不可、エンドフェイズに破壊、と非常にタイトな上、活用可能な幅もあまり広いとは言えない。というのが率直な感想です。


「リンク2」でありながら、その能力を発揮するには自身の配する箇所を考慮すると「リンク2」程度のモンスターを併用する形がベーシックな運用となってしまいます。
仮にそういった「リンク」数4程度まで成立可能なシチュエーションが訪れた際、素材の関係もありますが、基本的にはまず間違い無く『ヴァレルロード・ドラゴン』等が優先されるでしょう。



素材に「ヴァレット」を要する「リンク2」でありながら、単体では「リンク」としても、デッキのブースターとしても力不足感が拭えません。


『リローダー・ドラゴン』と『ブースター・ドラゴン』。
双方の効果(2)を取って比較しても発動条件の差は歴然。『ブースター・ドラゴン』に軍配でしょう。


ステータス面、マーカーの向きについても『ブースター・ドラゴン』に劣り、完全にお株を奪われる格好となります。


しかし、『リローダー・ドラゴン』に取ってみれば、悪いことばかりでもありません。


皮肉にも『ブースター・ドラゴン』のリンク先へ『リローダー・ドラゴン』を配置する事で、その厄介な発動条件が課せられた能力の活用が可能となるのです。


しかし、その場合でも多量の「ヴァレット」モンスターを要し、そこまでの展開が達成できる様な状況であれば、さらに強固な盤面の形成も視野に入るため、憫然ですが敢えて『リローダー・ドラゴン』を場に構築する必要は無いのかもしれません。







スペルスピードを落とすも『ヴァレルロード・ドラゴン』を彷彿とする能力


(1):1ターンに1度、このカード以外の
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力は500アップする。
この効果の発動に対して相手はカードの効果を発動できない。


「ヴァレット」のエースモンスターにして、その捲り性能は環境でも指折りの『ヴァレルロード・ドラゴン』。


そちらの効果(1)は「スペルスピード2」で、相手ターンやバトルフェイズ中、ダメージステップに至るまで、ありとあらゆるシチュエーションに対応し発動可能な非常に勝手の良い能力。


これを彷彿とさせる能力を備える『ブースター・ドラゴン』。
ステータスを弱体化させる『ヴァレルロード・ドラゴン』に対して、『ブースター・ドラゴン』は対象モンスターのステータスを強化する能力で、自分のモンスターを対象とする場合は強化を施す『ブースター・ドラゴン』の方が有用。
しかし、「ヴァレット」の固有能力活用を主な目的とする場合、ステータスの変動部分はあまり意味を成さないという事になります。


この様に、「ヴァレット」が扱う場合、柔軟な『ヴァレルロード・ドラゴン』に類する能力と比較しても効能自体に大した差異は感じられません。
ただし、スペルスピードを「1」に落とす点は、発動に際する自由度という面に大きな差を生む事となり、相手ターン中の運用に関してはそれがより顕著となります。
比較的ライトな「ヴァレット」のトリガーとしては及第点でしょう。







頃来、「ヴァレット」モンスターの固有能力発現に際し、使用される「リンク2」は『アンダークロックテイカー』が主な選択肢となってきましたが、その場合相手フィールドにモンスターが存在する事が前提となり、『メタルヴァレット・ドラゴン』『オートヴァレット・ドラゴン』による「魔法・罠」への干渉も、相手のモンスターゾーンが空の場合は達成不可というたいへん歯痒いものでした。




しかし、『ブースター・ドラゴン』を用いる事でそういった局面でも円滑に各種「ヴァレット」固有の能力活用が望めます。


素材に「ヴァレット」を要するため、成立の容易さでは『アンダークロックテイカー』に劣るものの、『クイック・リボルブ』『リボルブート・セクター』『タクティカル・エクスチェンバー』などを用いた場合、場に並ぶのは主に「ヴァレット」モンスターとなるため、『ブースター・ドラゴン』の選択肢も十分視野に入ってきます(とはいえ少々重い条件)。



また、各種「ヴァレット」の固有能力の欠点である対象選択を行なったリンクモンスターの効果に直接チェーンする形でなければその能力を発動できないという部分を補うべく『ヴァレルロード・ドラゴン』同様に設けられた


この効果の発動に対して相手はカードの効果を発動できない。


との一文により、「ヴァレット」の能力活用に一役も二役も買ってくれることでしょう。


当能力によって変動したステータスはその後、ターンを跨いでも永続的に適用される為、単純なステータス強化としての運用も悪くは無いでしょう。
その場合は一過性ではあるものの大きな変動が見込める『アンダークロックテイカー』と天秤にかけてより有効なものを選択したいところです。







戦闘・効果破壊をトリガーとする「ドラゴン族」モンスターの蘇生


(2):リンク召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合、
このカード以外の自分の墓地のドラゴン族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。


リンク召喚された自身が戦闘・効果によって破壊され墓地へ送られた場合、自身以外の自分の墓地の「ドラゴン族」モンスターを完全蘇生。「リンク2」のモンスターが備える破壊時の保険としては非常に範囲の広い強力な蘇生能力となっており、『ブースター・ドラゴン』のリンク素材として使用した「ヴァレット」モンスターをはじめ、『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』や、「ヴァレット」のエース『ヴァレルロード・ドラゴン』の再利用までも見込めます。



自分のカードの効果による破壊にも対応する能力のため、「2018/01/01〜」より無制限となる『ブラック・ホール』や『激流葬』と言った全体除去に巻き込んだ際にも被害の軽減が見込める他、「メタルフォーゼ」を用いることでも蘇生能力の活用が望めます。









「ドラゴン族」を軸とする「ヴァレット」であれば『天球の聖刻印』のリンク召喚も狙えるため、蘇生候補として有力な『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』への流動的なアクセスも不可能ではありませんが、「ヴァレット」の基本アクションとの関連性が皆無なため、構築の段階で革新的なプランを練る事が必須となるでしょう。



一工夫必要な癖のあるギミックがチラつくと、途端に構築欲が唆られますね。


《LINK VRAINS BOX》収録カードも着々と判明しており、新規によってこれまでの方向性とは異なる方面へシフトするデッキも現れるのではないでしょうか。
当の「ヴァレット」の構築もこれまで以上に自由な指針を定められそうで、非常に楽しみなテーマとなってきています。









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